これは食事が気に入らないと激怒した父に恐怖を感じ、兄弟でプチ家出した時の事を書いた記事。
私のモラハラ父親は偏食で、気に入らないものが食卓に並ぶとDVで母を傷付けてきました。
これが原因で、子供の頃はどんなに楽しい夕食でも父が帰宅したら怒るんじゃないかとビクビクしていたのを思い出します。
どんな事が起きたのか、具体的な事は続きをご覧ください。
おかずが気に入らずコップと皿を投げる父親
とある月曜日の19:00ころの話。
当時中学校1年生だった私と5年生の弟、3年生の妹で母が作ったそうめんを食べながらドッヂ弾平を見ていたときです。
急に不機嫌な顔をする父親。
「また始まるぞ・・・。機嫌が悪い・・・。」父親の表情から全てが読み取れました。
部屋にはテレビから流れてくるドッヂ弾平の声と、家族が申し訳なくすするそうめんの音だけ。
いつものように「怒らないでください。もうオレはウンザリです」と心の中で願うもそれはかないません。
「オレはそうめんが嫌いなんだよ!」
今まで「そうめんが嫌い」なんて一度も口にしなかったのに、突然大きな声で怒鳴って皿を投げつけた父親。
ひっくり返ったテーブルの周りにはそうめんが散乱し、こぼれた麺つゆが絨毯に染み込んで行きます。
皿を片付けるのを満足そうに見るモラハラ父
ガシャン。と大きな音を立てて皿が割れるのを見て、
「また始まった。恐い・・・」
恐怖のあまり箸をテーブルに置いてその場から離れる弟と妹。
母はバラバラに割れた皿を集めながらこう言いました。
「どうしてこんなことするの・・・」
私は母と弟と妹を助けなければとその場を離れることにしましたが、母は逆らえば後で何をされるか分からないという理由で皿を片付け続けます。
皿を投げる父の心理状況と対処方法

こうやっていつも母と私達は被害者にされ、その度に恐怖を植えつけられてきました。
この時父はとても満足した表情を浮かべますが、実はこの片づけは良くないことなのです。
しかし、そんな状況に嫌気がさした弟と妹が、大粒の涙を流しながらこう言いました。
「もう嫌だ。おじさんの家に行こう」
近所のおじさんに助けを求めた弟と妹
妹の口から出た「おじさん(小父さん)」とは自宅の目の前に住むご近所さん。
お子さんはなく、年上の奥さんと二人で暮らしでしたが、妹がよく遊びに行っていたのでいつの間にか親しい仲に。
毎日のように聞こえる父親の怒鳴り声を聞いていて「何かあったらおじさんの家に来るんだよ」と私達や母を気遣ってくれました。
その言葉を思い出した妹は、おじさんの所に行こうと言い出したという訳です。
しかし、中学生になった私は『他人に迷惑をかけてはいけない』と弟と妹を「散歩して気分転換しよう」と連れ出しました。
ですが、弟と妹は「真っ暗で恐いしおじさんのお家に行く」と言い残し私の前から去っていきました。
父親の怒りが治まるまで夜道を徘徊した
弟と妹がいなくなった私は家に戻らず、
「いつになったらこの状況が変わるだろう」「お母さんはお父さんに殴られてないかな」「弟と妹はおじさんにどんな事を話しているんだろう」
など色々な事を考えながら真っ暗な夜道を一人で歩きましたが、友達の家に行けるわけもなく自宅に戻ることに・・・。
家の前で小父さんが待ってくれていた
自宅に近づくと街灯の下でおじさんが私の帰りを待っていたのを覚えています。
「おかえり。大変だったね。今日は家に帰らず小父さんの所に泊まりなさい。弟クンと妹ちゃんはお風呂に入ったから、お兄ちゃんも入るんだよ」
そういって私を家に招きいれお風呂まで入らせてくれたのです。
パジャマなど持っていないので、着ていた服をもう一度着て布団に入ると、おじさんが学生時代にバスケットボールをしていたことも話や写真を見せてくれました。
弟と妹はその話を嬉しそうに聞いていましたが、中学生の自分には「どうしてここまで色々助けてくれるんだろう?」と不思議でしょうがなかったです。
ですが、そんな疑問もなくなるほどおじさんとおばさんは、私達を実の子供のようにかわいがってくれました。
父親像を学んだ気がした
私は父親と喋った事がほとんどありません。もちろんこれが普通ではないことは分かっていましたが、「普通のお父さんって何?」と聞かれても知らないので答えられません。
ですが、おじさんの優しい言葉を聞いているうちに一つの考えが浮かびました。
「これが本当の父親像なのかも知れない。おじさんの子供だったら良かったのに・・・」
そんな事を考えた夜でした。
子供の夢を見た母「お母さん。おじさんの家にいるよ」
翌日・・・。
昨日の一件で神経が磨り減っていた私達は、夜中に起きることなく朝を迎えました。
「おはようございます」
と挨拶をすると
「おはよう」
と返してくれるおじさんとおばさん。
私は父におはようと挨拶したことすらありませんが、おじさんにならできます。
朝ごはんまでご馳走になり、父親が仕事に行くのを見計らって自宅に帰ると、母がいつもと変わらない様子で洗濯をしていました。
「お母さん。ただいま。大丈夫だった?」
と母に恐る恐る聞くと「大丈夫だったよ」
といつもと変わらない様子でしたが夢を見たといいます。
「お前たち3人が夢の中に出てきてさ。オレたちおじさんの家にいるから安心してって教えてくれたんだよ。」
母も私達が逃げる場所は、おじさんの家しかない事を知っているので、このような夢を見たのでしょう。
でも離れていても母と子は繋がっている気がして嬉しかったです。
近所のおじさんに感謝した子供の頃
おじさんには本当に感謝しています。ご近所さん以外に接点はないですが、子供だった私達にここまでしてくれた人は今までいません。
本当にありがたかったです。
「父親とは何か」を教えてくれたのもおじさんでした。
今は奥さん(おばさん)をなくして独り暮らしをしていますが、機会を見て会いに行きたいと考えています。
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